Ep.1-15 -その女、敵か味方か。-

強敵マサをぶっ飛ばすと酒場で叫んだ美沙子。 引いている酒場の者達。

どうやらこの酒場には手下の様な人間はいないようだった。

だが酒場の者達は美沙子を引いた目で見ながらヒソヒソと話をしている。

 

美沙子「ったく、どいつもこいつも...文句があるなら直接言ってきな!! 誰でも相手になってやる!!」

 

美沙子がそう言い放つと、別の大人が口を開いた。

 

「なぁお嬢ちゃん、気持ちはわかるけどな、アイツには誰にも勝てないし、逆らえない。 あの人は宇和島市内全域でハバきかせてるいわばボスみたいなもんだ。 そんなのぶっ飛ばすなんて言ったら、そらもぅ自殺行為よ。」

 

どうやらマサはかなり顔が広いようだ。

 

美沙子「市長とか政府は何やってるんだ一体?」

 男「市長なんてもう何年もいないさ。政府関係の人間も軒並み殺された。 宇和島(ここ) は暴力で支配されてるのさ...。 逃げようとしたのが見つかれば公開処刑。 もうみんな諦めてる。 だからお嬢ちゃん、悪い事は言わねぇ。どこから来たのかは知らんが、さっさと元住んでた場所に戻りな...。」

 

男はそう言って美沙子を再度諭した。 

 

美沙子「へっ、誰が戻るかよ。 だったらこの街に来た目的を変更する。 アンタ達を全員、助ける!!」

 

店中がざわついた。 当然である。 いきなり来たお尋ね者が自分達を助けるだなんて普通に考えて有り得ないからだ。

 

その時だった。

 

美沙子「(誰か来る...。すげー戦魂だけど、アイツじゃなさそうだ...。)」

  竜一「とんだ大物が近づいて来てるみてぇだな...。 イレギュラーか?」

美沙子「どうだろ...わからない....。」

 

(ギイィィィィ.....パタン......。)

 

扉が開いた。中に入って来たのは女だった。

 

 

女「おーいおっちゃーん。  ラムあ.... ん? 何だ? ケンカなら鬱陶しいから、表でやってくれ。 お嬢さんごめんね、ちょっとそこ通るよ。 おっちゃん、ラムある?」

 

女はそう言うと、カウンター席に腰掛け、タバコに火を着けた。

 

美沙子「(何だコイツ...体が痺れる様な感覚がする...。尋常じゃない戦魂だ...。)ちょっとアンタ! 何者?!」

 

美沙子が女に問い質(ただ)した。

 

女「ん? 何者って言われたってなぁ....ただ飲みに来た客さ。それ以上でも、以下でもないさ。」

 

淡々とそう話す女。 この女の正体とは...。

 

To be continued...